会社の持株会に入るべきか。集中投資のリスクと奨励金のリターンをよく考えよう。
持株会に入る時はよく考えましょう。
上場企業には持株会という制度があるところは多いと思います。従業員に会社の株式を保有してもらう制度で、給与天引きで購入され、5%から20%程度の奨励金がもらえるのが一般的かと思います。奨励金目当てでなんとなく利用している人も多いかと思いますが、入っていない人は入るべきか、入ってる人は続けるかどうか考えるきっかけになればうれしいです。
持株会に入るべきかまとめ
・給料と資産をまとめて同じところに保管することになる
・メリットは奨励金と資産の積み立て
・目的と将来性をしっかりと検討する
・奨励金だけを見ないことも大事
分散投資が基本
投資の基本は分散投資です。資産を一つに集中してしまうことは大きなリスクがあるからです。持株会はどうでしょうか?給料をもらっている所と資産として投資しているところが同じですよね。これは投資としては、集中投資になってしまっています。勤めている所が投資先と言うと少し違和感があるかもしれませんが、勤め先の業績に応じて給与の金額が上下したり、倒産した場合には収入がゼロになるという意味では人生の時間を投資していることになります。
持株会は現金以外で資産を持てるという大きなメリットがありますが、同時に収入と株式投資による集中投資リスクを取っているということにもなることを覚えておきましょう。
持株会のメリット
・奨励金
一番大きなメリットだと思います。購入金額に対して一定の割合で奨励金をもらうことができます。会社によっては30%もの奨励金をもらえるところもあり、持株会へ加入するかどうかの重要な指標にもなります。
・会社への忠誠心アピール
集中投資を行っているということはそれだけ会社へ依存しているということで、裏返せば会社への忠誠心が高いということにも繋がると判断される企業もあるようです。これが出世や昇進するときに働く場合もあるようで、ずっと今の会社でやっていこうという方にはこれも大きなメリットかもしれません。
・資産の積み立て
持株会への積み立ては給与天引きで行われるので、毎月定額で資産を積み立てることができます。特に貯蓄が苦手な人は自動的に貯まっていくので資産形成には便利です。
・会社の業績を調べなくても知ることができる
自分で購入した株式の会社業績は、継続的に調べ続けないと知ることが難しいです。対して持株会の企業は自分の勤めている会社なので、ほとんど意識せずとも会社の業績を知ることができ、これから成長していくのか、どういう事業展開を行っていくのかといった投資判断には困らないというメリットもあります。
持株会を利用した方が良い場合
・自分の会社が長い目で見ても成長傾向にある
投資先として、勤め先の会社が今後も大きく成長すると判断できる場合には持株会に加入しておいて、株価の上昇による利益を狙うのもありだと思います。ただ売却する場合や口数の変更などが簡単にできない場合もあるので、ここはしっかりと調べておきましょう。逆に将来性があまりない企業などは、金額を大きくしすぎない、定期的に現金化しておくといった対応も必要になってくると思います。
・奨励金の割合が大きい
奨励金の割合が20%や30%といった非常に大きな場合は、加入した方が良い場合も多いです。多少の株価の下落があっても奨励金で十分まかなえるためです。30%を超えると毎月の奨励金かなり大きくなってきますよね。
持株会に入らない場合は別の形での資産形成も必要かも
持株会に入らなければそれで分散投資ができるのかというとそうではありません。預金として貯蓄していては、資産は減る一方なので、投資信託やほかの企業への株式投資などで分散投資を行いましょう。
さいごに
持株会は少額から株式を購入することができて、同時に奨励金ももらえるという素晴らしいシステムです。ただその大きなメリットと共に集中投資というリスクも同時に抱えるということを覚えておいてほしいです。最近では不祥事等で、上場企業でも倒産や業績不振に陥ることも十分に考えられるので、本当に自分が勤めている会社の株式を保有しても大丈夫かということは常に考えておいた方が安全かと思います。
リスクヘッジについてはこちらの記事から。
集中投資はほどほどに。それではまた会いましょう。